1PasswordのVaultを使ってブラウザ拡張によるアイテムのサジェストを個別に無効にする
こんにちは、CX事業本部 IoT事業部の若槻です。
パスワードマネージャー1Passwordを使用していると、同じウェブサイト(URL)に対するログインアイテムを複数個作成する場合があります。例えばAWSのIAMユーザーと、そのユーザーで使用できるスイッチロール情報をアイテムとして作成する場合などです。
しかしこの場合、例えばAWSのサインイン画面でIAMユーザーを使用してサインインしようとすると、1Passwordのブラウザ拡張の既定の動作によりブラウザでサジェストして欲しくないアイテムまでサジェストされてしまいます。
そこで今回は、1PasswordのVault(保管庫)を使ってブラウザ拡張によるアイテムのサジェストを個別に無効にしてみました。
やってみた
1PasswordでVault(保管庫)を使用すると、アイテムの整理やShareをVault単位で行うことができます。
このVault単位で、ブラウザ拡張によるアイテムのサジェストの有効/無効を制御できるようなのでやってみます。
1Passwordのデスクトップアプリで、[ファイル]-[新規保管庫]を選択。
Vault名を指定して新規作成します。
するとデフォルトのVaultに加えて新規Vaultを追加できました。
ブラウザでのサジェスト表示を個別に無効にしたいアイテムを新規作成したVaultに移動します。
1Passwordのブラウザ拡張の設定画面を開き、[アカウント&保管庫]で先程作成したVaultのチェックを無効にします。
するとAWSのサインイン画面で余計なサジェストが表示されなくなりました!
補足
「ブラウザでサジェストする」メニューはあるが、使用できなかった
実は、1Password 7(デスクトップ版)では、アイテムごとに「ブラウザでサジェストする/しない」を変更するメニューがあり、Vaultを使わなくてもこのメニューでサジェスト表示の制御が一見できそうです。
しかし、このメニューを設定しても、ブラウザ拡張でのサジェストの有無になぜか反映されませんでした。
Communityを検索すると同様の事象での質問がありましたが、どうやら新しい1Passwordブラウザ拡張では使用できないようです。
1) Why is this feature not available on the "new" extension? If you consider that any stored credit card will be auto-suggested on any website unless sequestered to a hidden vault, that still seems to me like a substantial gap in functionality.
The new extension was thought to be used independently from the desktop app (for example, to use it on Linux or on machines where you cannot install anything, such as a work computer). Therefore it never looked at any setting coming from the desktop app.
さらに1Password 8 beta(デスクトップ版)では「ブラウザでサジェストする/しない」メニューがそもそも消えてしまっています。
今後このメニュー機能は削除されそうな雰囲気ですね。よって私の環境でもサジェストを個別に無効化したい場合はVaultを使う必要がありました。
Vaultが使えない場合
1Password Team/BusinessなどでVault作成権限が制限されている場合などがあります。
その場合、URLを[ウェブサイト]ではなく[セクション]内に記載すれば、そのアイテムは該当URLのページであってもサジェストされません。ただしアイコンは自動で設定されなくなるため、手動で設定する必要があります。
おわりに
1PasswordのVault(保管庫)を使ってブラウザ拡張によるアイテムのサジェストを個別に無効にしてみました。
Vaultは初めて使ったのですが、今回紹介したサジェストの無効化であったり、アイテムの整理にとても便利な機能だったので今後は積極的に使っていきたいです。
以上